新人PRが今から準備しておくべき5つのこと
あっという間に新年を迎え、2021年が始まりました。まだまだコロナの収束が見えない手探り状態が続きますが、それでも世の中の動きは止められません。まだ少し先の話ですが、4月は新社会人の方が入社され、新人広報として配属となる季節ですね。新社会人だけでなく、外部からの転職者や、別部署から異動予定の方もいらっしゃることと思います。いずれにしても、企業活動がままならないコロナ禍において、広報の役割はより一層重要度が増していますので、新人とはいえ一早く活躍していただきたいのではないでしょうか。
以前にリモート下でも新人PRパーソンができること・すべきこととして記事を執筆しておりますが、今回は筆者の新人時代の経験もご紹介しつつ、前回ご提示した3つのポイントを細分化した5つのポイントとしてお伝えします。
今から準備しておくことで、4月から力強いスタートダッシュが切れることと思います。
自分の”地図”を求め続けた新人時代
私が初めて転職したのは、広報に力を入れているエンタメ系の会社でした。転職とはいえ、当時は広報経験がほとんどない状態でして、上司や先輩方から基礎的なことを教えていただきました。いわゆる新人研修にあたりますが、新人教育に熱心であったこの企業での基礎作りが、現在の私の広報活動の布石となっていると言えるほど、非常に有意義なフェーズでした。
とはいえ、どの企業でも部署特有の研修を新人に実施しているわけではありませんので、そのような企業に新人として入社される場合は、独自で基礎固めをする必要もあるでしょう。
当時の私は、充実した指導をいただいてはおりましたが、”受け身の学び”だけではなく、自己投資にも積極的でした。当時はネットがない時代です。広報に関する書籍を多読することから、外部の広報セミナーを受講する、広報イベントに参加して人脈を広げるなど自分にかなり投資をしました。そのなかでも特に時間とコストを投資したのは媒体です。主要な新聞や当時勤めていた企業で関係作りが重要であったビジネス系媒体の定期購読は、将来の自分のために新人の給料のなかでやりくりしていました。
決して新人は身を削ってお金をかけましょう、という意味ではなく、何の地図も持たない手探り状態で入社するよりも、材料(知識や人脈など)を持って取り組めた方が仕事は楽しいですし、より効果が出やすいのです。私の新人時代はこの地図を貪欲に求め続けていました。現代は無料のツールや情報が豊富な時代なので、入社までの時間を積極的に広報の基礎作りに使って欲しいなと思います。
ただ、闇雲に「広報」という括りで検索したところで、情報は広すぎますよね。まず新人PRパーソンが知っておくべきポイントは5つあります。
最低限知っておいて欲しいこと<その1>
「何のためにPRするのか?」
以前の記事でも「自分の会社のことをよく知ること」としてお伝えしていますが、会社の活動とPR活動がシンクロしていなければ意味がありません。PRのテクニックや派手な戦略に溺れ、”木を見て森を見ず”にならないよう、会社の”目的”にあったPRとは何かを探索してみましょう。
最低限知っておいて欲しいこと<その2>
「メディアは一体何を求めているか?」
社会を媒介するメディアの役割を理解するということです。以前の記事では「「世の中を知ること」としてご紹介していますが、主要メディアをよく知り、そのコミュニケーション方法を探っていくことが有効的な広報活動に繋がる基本の「き」であると思います。
最低限知っておいて欲しいこと<その3>
「メディアの目的は何か?」
その2をさらにメディアの種類別に細分化して理解することが重要です。メディアには従来のマスメディアとされる「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」に、第5のマスメディアである「インターネットメディア」があります。そこからまたジャンル分けされていきますが、その種類・ジャンル別に目的は異なり、故にアプローチも異なるのです。入社する企業がターゲットとしているメディアはどのタイプかを知り、そのメディアの目的や最新動向を熟知しておきましょう。
最低限知っておいて欲しいこと<その4>
「PRの戦術にはどんなものがあるか?」
入社される会社のサイトには、過去に発信されたプレスリリースが掲載されていることが多いので、入社先の広報活動を把握しておきましょう。サイトに十分な情報が載っていない場合や目立った活動が見えない場合でも、イベントや公式SNSなど、一般的なPR戦術にはどんなものがあり、どんな時に何が有効かを自分なりに研究しておくことが大事です。
特に新型コロナウィルスの影響で様々な経済活動に制限がかかる今は、コロナ禍でも成功している企業のPR戦術をリサーチすることはとても有意義です。(参考:飲食店の成功事例はコチラ)
最低限知っておいて欲しいこと<その5>
「プレスリリースの作り方」
プレスリリースは基本のコミュニケーションツールです。現在では手軽に始められるSNSを使って多くの企業が何らかの発信やコミュニケーションをしていますが、公式の情報としてメディアが最重要視するのは今でもプレスリリースといえるでしょう。仕事柄様々な企業のプレスリリースを拝見しますが、残念ながらメディアには響かない、タイトルだけでは伝わりにくいものが多いのが現状です。乱打したところで、基本的なポイントを押さえていないプレスリリースはいつまでたっても当たらないどころか、迷惑メールのようにメディアに嫌われてしまうのがオチです。
以前の記事でプレスリリースを作るポイントをご紹介していますので、コチラもあわせてご覧いただければ幸いです。
スタートアップや中小企業で特に必要なこと
大企業であれば長年のノウハウが蓄積されているため、新入社員にとって恵まれた環境下での研修が可能ですが、スタートアップなどの起業したてのベンチャーは、そもそも広報担当者がおらず、そのような広報のナレッジがないため、0から築き上げていかないとならないケースがほとんどです。また、PRに関して理解のない企業もあることでしょう。ですが、今や情報をいつ・誰に・どのように発信するか次第で、会社のレピュテーションリスクに繋がる時代です。
「レピュテーションリスク」(reputation risk)
企業に対する否定的な評価や評判が広まることによって、企業の信用やブランド価値が低下し、損失を被る危険度。評判リスク。風評リスク。
By コトバンク
無用に会社の評判を落とし、利益を損ねることのないよう、スタートアップ企業こそ広報の基本を押さえていることは重要です。
2021年が明けてもなおwithコロナで不安が伴う日々ですが、PRパーソンの第一歩として、広報の基礎固めは今のうちからしっかりしておきましょう。
AStoryでは広報初心者向けレクチャーを随時開催しております。「PRって何から始めたらいいの?」といった初歩的な疑問から最新の情報を踏まえて分かりやすく解説いたします。ご興味のある方はお気軽にコチラへお問い合わせください。