パイオニアになる勇気 ~貴社にビジョン・ミッションはありますか?~

VisionMission.jpg

昨年は書籍を発行したこともあり、例年以上に講演やセミナーをさせていただく機会をいただきました。そのなかで、様々なご質問をいただいてきたのですが、ノウハウの提供以前に大事なことについて、特に経営者の方や組織運営に携わっている方々に向けてお話したいと思います。

 

なぜAmazonが成功したのかを知っても成功しないワケ

Amazonには、「企業のミッションが明確」で、「ビジョンやミッションを社内で答えられない人はいない」状況にあり、「自己リーダーシップが育つ環境」が整っています。
そのためにはビジネスモデルが必要ですが、Amazonでは「好循環」を生み出すビジネスモデルがあり、その仕組みを知らない人は社内では一人もいません。

さらに、このビジネスモデルを各部署、チームでどのように回し、企業の成長に貢献していくかを考えます。部門ごとに「どこで貢献するか?」というゴールを決めて、それを達成するために各個人の役割分担を決めています。会社全体としてだけでなく、一人ひとりにまでビジョン・ミッションに基づいた行動ができるよう、情報の循環ができているのです。よく理解せず、ただ闇雲に上司の指示があったから仕事をしている人はいません。

「同じようにやっているけどできない。」
「優秀な人材が採れない。」

というお嘆きのほか、

「Amazonができて他社にはできない秘訣を教えて。」

という率直なご要望までいただくことも稀にあります。でも実は、秘訣を知っただけでは成功しません。
なぜなら、

  • 会長または社長ご自身のビジョンやミッションをお尋ねしても明確ではない

  • 仮にその企業のビジョンやミッションがあったとしても、社内に浸透していない

  • 会長や社長、または上司に委縮して社員一人ひとりにリーダーシップが育つ環境がない

    からです。

 

”マジック”はない

Amazonでは人材を集め、育成して、その人たちが開花するような環境を作っているからこそ、企業の成長に繋がるアイデアが出てきます。とにかく失敗に対して寛容な会社ですから、トライアルアンドエラーを言葉通り実践しています。Amazonの社員は、人がやってきた道を歩んでるわけではなく、”パイオニア”であるという自負をもって行動しています。パイオニアになるということは、”実験”が必要です。実験をすれば、失敗するリスクも取らなければなりません。ジェフ・ベゾスによると、「多くの企業は『発明したい!』と言うけれど、『失敗したくない!』とも言う。それでは発明はできない。Amazonでは10回やって9回失敗するかもしれないけれど、とても大きな成功を1回することが重要だ。」と言っています。そういうことをやっていける会社でないとパイオニアにはなりえないのだと思います。

ビジョン・ミッションを明確化して、それを実現しようと高い志を持った人材を採用し、そして採用しっぱなしではなく、しっかり育てて、働きやすい環境を用意して、仮に提案されたアイデアが失敗したとしても、失敗から学んでもらって次に生かすようなプロセスを作っていくという地道な積み重ねが、今のAmazonになっているのです。

ビジネス成功の秘儀を1つや2つを知り得たところで、現状の組織、仕組みで思い描くように成功できるでしょうか?Amazonはマジックを使った訳では決してないのです。

 

講演後あるある

big-idea.png

社員の士気を上げるために、定期的に外部から様々な分野で活躍しているビジネスパーソンや著名人を招いて講演会を開催する会社は多いと思います。その都度、会場では盛り上がるのに、すぐに現実に戻ってしまうことは、決して少なくないようです。講演後は大抵、会長や社長から、「君たちも”ビッグ”なアイデアを考えろ!」という檄が飛ぶのも、講演後あるあるではないでしょうか?「そんなこと言われても無理…」という社員の心のつぶやきが聞こえる気がしてしまいます。社員のためにやっていることが、その効果を生み出せていないのは勿体ないことですし、講演させていただく身としても非常に残念です。

経営者は人の力を最大化させる努力を求められます。これは組織力にも繋がることです。
“ビッグ”なアイデアが生まれるような環境を用意し、”ビッグ”なアイデアが定着するような仕組みも作り、さらには、”ビッグ”なアイデアに繋がる大事な情報がちゃんと下に降りていく環境になっていると、講演後の即効性は非常に高くなります。

 

AStoryからのご提案

pioneer.jpg

先ずはそのビッグなアイデアを”生み出せる”ような環境を作ってみてはいかがでしょうか。
“会社の履歴書”を明確化し、個人個人が何をすべきかを考えられるような、その情報のフローや考える仕組み、失敗を次に生かす仕組みや、人材育成と評価の仕組みなどを突き詰めて考えていく。その方が、長期的に”ビッグ”な発想が生まれる組織になるのではないかと思っています。

皆さまに、”パイオニアになる勇気”があれば、必ずできると確信しています。

 

AStoryのセミナーでは、Amazonの根本的な成長要因を深掘りして、「ビジョン・ミッションがどこまで社内に浸透させられるのか」「浸透させるメカニズムとはどういうものなのか」「企業成長に繋がる人材育成の仕方」についてお話しています。ご興味のある方はお気軽にコチラへお問い合わせください。