パーパス最新事例 - パーパス経営・ブランディングを実現するイベントの好例
社会における存在意義を具現化したパーパス経営の重要性がより一層増しています。
今回は当社がサポートさせていただいている企業がパーパスから”逆算”して作り上げたイベントについてご紹介します。
おさらい「パーパスとは一体何なのか?」
ここ数年でじわじわと注目を集め、様々な企業で掲げられている「パーパス」とは、従来の収益追求だけでなく、社会的な目的や価値の追求を含む総合的な企業の「使命」や「存在意義」を指します。
企業が自らの存在意義や社会的な目的を追求することで、従業員や顧客をはじめとしたステークホルダーとの結びつきを深め、持続可能な成長を目指すものです。
[関連記事]
「パーパスブランディングとは?今、企業存続に必要な理由」
https://www.astorypr.com/news-all/case/purpose-branding
「グローバルブランドランキング上位のパーパス実践企業」
https://www.astorypr.com/news-all/purpose-practice-company-with-top-global-brand
「経営陣のパーパス発信が社員エンゲージメント向上のカギ」
https://www.astorypr.com/news-all/managements-purpose-communication-is-key-to-improving-employee-engagement
ユニクロやGUを展開する株式会社ファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長の柳井正氏は
「”服の領域で社会を支えるインフラになる” これが我々の使命であり存在意義だ」
と発言しています。そしてファーストリテイリンググループのミッションには、
「企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、 社会との調和ある発展を目指す(一部抜粋)」
が掲げられており、これをグループの使命とし、同グループが「何のためにこの世に存在し、企業活動を通じて世の中に何をもたらそうとするのか」を示す理念だと説明しています(*1)。
このように、パーパスは一企業がその活動において社会的価値を生む存在であるとコミットした内容であり、社会における存在理由といえます。
企業によっては「ミッション」や「企業理念」などに含まれているものです。
*1:FR WAY (FRグループ企業理念)日本語版(https://www.fastretailing.com/jp/about/frway/)
国内最大手のブライダル企業が掲げるパーパス
アニヴェルセル株式会社(以下、アニヴェルセル)は全国でゲストハウスウエディングや記念日プロデュース事業を展開するブライダル業界の大手企業です。
アニヴェルセルはパーパスに以下を掲げています。
ミッション(存在意義)
「心と心を結んで、人と人を結ぶ。」
※アニヴェルセルではMissionとして存在意義(パーパス)を表しています。
https://corp.anniversaire.co.jp/about/
そしてこの企業が「目指す姿」として、次のビジョンを掲げています。
ビジョン(目指す姿・なりたい姿)
「お客様の人生に寄り添い感動を提供し続ける記念日プロデュース企業となる。」
続いて存在意義を具現化し、目指す姿を具体化するための「マインド(行動指針)」や「ステートメント(声明)」が提示されています。
2023年11月23日、アニヴェルセルは自社の存在意義(パーパス)から逆算したイベントを企画し実施しました。
伴走型支援で作ったパーパスから逆算したイベントとは
11月23日といえば国民の祝日「勤労感謝の日」ですが、この日はアニヴェルセルが2020年に制定したもう一つの記念日「いい(11)夫妻(23)の日」でもあります。
同社はこの日を「すてきな夫妻を応援する日」、「”ありがとう”で夫妻が絆を深める日」と定めており、先日の11月23日は同社のパーパスである「心と心を結んで、人と人を結ぶ。」を掛け合わせたイベント、『More More ありがと。』を開催しました。
アニヴェルセル社はイベントを企画する際、まずお客様に、「夫婦仲をどのように深めていったか」「どういったことが夫婦仲が深まるきっかけになったか」といったアンケートを実施しました。
その中で、「夫婦円満の秘訣」について尋ねた設問では、「感謝の思いを言葉にする」が約83%という最も多い回答となったこと、続く2位、3位の回答にも「素直に謝る」、「好きな気持を伝える」という、”言葉で気持ちを伝える”ことが大切だと分かっていながら、日常生活できっかけをなくし、あらためて言葉にすることに躊躇したり恥ずかしがってしまう方が多いということが判明したのです。
お客様が感謝の気持を伝えることが夫婦仲を保つ秘訣なのであれば、それをもっと後押しすることがアニヴェルセルのやるべきことなのではないか?という考えにたどり着き、「いい夫妻の日」をきっかけに、夫婦お互いがもっと感謝を伝え合うことができるイベントを作ることになったのです。これは同社のパーパス「心と心を結んで、人と人を結ぶ。」に繋がるテーマでもあります。
イベントでは、「日頃の感謝の気持ちをお互いに10回以上伝え合う」を目標とし、夫婦や家族で様々なミッションをクリアしていくといった、スタンプラリーのような仕掛けを作りました。スタンプを集めてゴールすればインセンティブがあるという内容が、かしこまらずにイベント自体を楽しみながら、各スポットで感謝の意を自然に伝えることを可能にしました。
「パーパス ✕ イベント」がもたらす効果
このイベントの満足度調査では、参加された方々のうち84.6%もの人が「満足した」と答えており、「やや満足した」の14.1%を含めると、実に98.7%もの人々の満足度を得られています。
これは「普段は伝えられない感謝の気持ちを相手に伝えやすくする」ための施策として、前述のスタンプラリー以外にも、アニヴェルセル独自のセレモニー「バウリニューアル」(*2)や花言葉に想いを込めた「Thanks フラワー」、結婚して良かったと思うところを伝え合いながら風船を飛ばす「バルーンリリース」など、多種多様な企画を盛り込んだことが功を奏したと思われます。
*2:結婚した夫妻が人生の節目に改めて愛を誓うセレモニー
このイベントでは同社の式場で結婚式を行ったカップルに限らず、新規の、まったく「アニヴェルセル」を体験したことのないご夫婦も全体の約8割参加されており、未来のお客様候補へのアプローチも可能になった点で最終的なアウトプットとしても素晴らしい結果だったと思います。 同社のパーパスを、イベントを通して体感したお客様が今後さらに広がっていくのではないでしょうか。
お客様だけでなく、アニヴェルセルの社員にとっても、パーパスを強く実感したイベントとなったようです。
アニヴェルセルでは店舗スタッフだけでなく、バックオフィスなどで働く様々な社員がイベント協力を率先して行っており、「助け合うカルチャー」があります。
イベントをサポートした社員たちが、感謝の気持を伝え合うご夫婦やご家族の姿を見て、「これこそがアニヴェルセルが行うべきイベントだ」と認識し、充実した表情を見ると、支援させていただいた当社としても、社員の皆さんにとっても意義のある理想的なイベントだったのではないかと思います。そしてこのようなイベントでの参加経験が、この会社の存在意義をさらに強固なものにするでしょう。
結果として、このイベントではメディアの掲載も様々ありましたが、掲載を獲得できたから良かったという評価よりは、会社として意義のあるイベントを開催して、それがお客様にしっかりと評価されたことが今回の大きな成果だと思っています。
今回は当社がサポートしている企業の最新事例をご紹介しました。
来年はこのようなパーパスを意識したイベントが増えるといいなと思っています。
「11月23日“いい夫妻の日”イベントレポート 夫妻が感謝を伝え合い絆を深められたことで、参加者満足度84.6% 表参道とみなとみらい横浜に240組610名様が来場」
https://corp.anniversaire.co.jp/news/20231123_iifusainohi_eventreport/
AStoryではアマゾンジャパンの黎明期からトヨタやGoogleを抜いてトップブランドとなった実績(「総合ランキングは、「Amazon.co.jp」が初の総合首位を獲得」)をもとに、ベンチャー、スタートアップ企業の新規上場におけるPR戦略立案やPR担当者育成のサポート、パーパスブランディングの構築支援をしています。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。