広報カレンダーを作ろう
広報担当者の皆様、効果的な広報戦略の鍵は適切なタイミングにあります。今回は、その重要性を最大限に活かす「広報カレンダー」について、詳しくご紹介します。
1. 広報カレンダーの重要性
皆さんの会社の商品やサービスをリリース(発表)するときに必ずメディアに聞かれるのが、
「なぜ、今、これなのか?」
という質問です。
それをきちんと説明するためにも、どの外部要因がその施策(商品やサービス)に追い風になっていくのかということを、常に整理しておくことが、メディアを通して世の中の人々に理解してもらうためにも重要です。
外部要因とは、社会情勢、法改正、および業界動向など、自社の外部からもたらされる影響のことを指します。これらの要因を把握し、適切に対応することで、より効果的な広報活動が可能となります。
2. 広報カレンダーの作成方法
広報カレンダーのスタイルは各社様々だと思いますが、有効活用するために必要な主な手順は以下となります。
2. 外部要因の洗い出し
広報カレンダーの作成は、外部要因の洗い出しから始めてみましょう。業界関連の法改正、大規模イベント、開業情報、社会情勢の変化などを年間スケジュールに落とし込みます。その際にマーケティングカレンダーなどの情報サイトを活用すると便利です。
【広報カレンダー向け参考情報】
「今日は何の日」(PRTIMES)https://prtimes.jp/magazine/today/
「未来消費カレンダー」(日経クロストレンド)https://xtrend.nikkei.com/atcl/calendar/future/
「Xモーメントカレンダー」(X)https://marketing.x.com/ja/collections/moment-calendar
「2025年に変わる法令一覧」(日本経済新聞)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG023KI0S4A201C2000000/
2. 自社の活動との関連付け
次に、自社の活動との関連付けを行いましょう。例えば、SDGsに関連する自社の取り組みを、国連のイベント時期に合わせて発表するなどの戦略を立てる際に有効になります。
新商品・サービスのリリース時期
キャンペーンの実施時期
企業の社会貢献活動 など
3. 自社発表の最適化
さらに、そのしかるべきタイミングを見極めていくことも大事です。
もちろん、その商品を開発する事業部が意識していることではあるのですが、広報も早い段階から関わることで、「この施策を発表するなら、このタイミングでリリースできると、世の中的に大きく扱ってもらえますよ」といった、提案していく立場になっていくべきだと思いますので、競合他社の動向などの外部要因を整理していきましょう。
3. 広報カレンダーの活用例
2025年の主要イベントと広報戦略
アメリカ大統領就任式(1月20日)
例えば2025年の1月はアメリカ大統領の就任式があります。そのため1月20日以降はトランプ氏着任後の動向によって、新たな政策が出てきたり、それによって様々なレギュレーションが変更となったりと、関連ニュースが大量に出てくるでしょう。
広報の皆さんは自社に関わるようなニュースは目を通し、理解しておく必要があります。そして新政権の政策が自社にどう影響するか分析しておくと良いでしょう。
広報は自社に関わってくるような情報には必ずチェックしておくべきですし、常に社会情勢などの外部要因によって、自社がどのような影響を受けるのかということを迅速に理解し、対応する準備をしておく必要があります。育児介護休業法改正(4月1日)
また日本では、4月1日に育児介護休業法の改正があります。これは雇用をしている企業すべてに影響する外部要因ですね。この改正では、3歳未満の子を養育する従業員がテレワークを選択できるような措置を講ずる努力義務化や、育児休業取得状況を公表する義務を、従業員数300人超の企業に対象を拡大するなどがあります。
広報は、この改正に向けて、自社ではどのような企業努力をしているのかを知っておき、自社の対応策(従業員支援プログラムなど)が計画されていれば、広報プランにしっかり組み込んでいくと良いと思います。大阪万博(開催期間中)
また、2025年はいよいよ大阪・関西万博が開催されますが、もちろん、これに関わる企業はかなり前から準備しているはずです。このような大規模なイベントで世の中が万博関連の情報で一色になるような時期に、この万博に無関係の会社が自社の発表をしても、フォーカスされにくいでしょう。
つまり、自社の重要な発表のタイミングは、外部要因の情報過多になる時期を考慮して、ずらすという判断が可能になります。
4. 広報カレンダー活用のメリット
メディア対応の質向上
広報カレンダーにまとめた外部要因を事前に把握し、整理しておくことで、「なぜ、今、これなのか?」というメディアからの質問に対して、説得力のある回答を準備できます。戦略的な情報発信
広報カレンダーで外部要因を把握しておくことで、最適なタイミングで自社の情報を発信することができ、より大きな注目を集めることができます。例えば法改正などの外部要因を追い風にして、自社の取り組みをアピールする機会を見逃さないようにすることも可能です。社内連携の強化
広報カレンダーの活用は、社内連携の強化にもつながります。広報部門が早い段階から事業部と関わり、外部要因を考慮した提案をすることで、より効果的な広報活動が可能になります。それにより、広報部門の戦略的な役割が強化され、全社一丸となった効果的な広報活動が実現します。
5. まとめ
広報活動において、外部要因を考慮することは非常に重要であり、広報カレンダーは、外部要因を考慮した効果的な広報活動を実現する強力なツールです。常に最新の情報を反映させ、定期的なアップデートを行い、外部要因がどう自社のコミュニケーションに影響していくのかを精査することで、より戦略的な広報活動が可能となります。
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参考記事「新規事業の成功に企画段階からPR視点が必要不可欠な2つの理由」https://www.astorypr.com/news-all/knowhow-new-business
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